8. 準拠および例外管理
8.1 準拠判定の考え方
8.1.1 基本原則(原則)
- 本規格への準拠可否は、成果物の存在ではなく、要求事項・基準への適合性で判定する
- 判定は以下の区分で行う
- 準拠
- 条件付き準拠
- 非準拠
8.1.2 判定対象(原則)
- 準拠判定の対象は、以下とする
- 共通要求事項
- 工程別要求事項・基準
- SoR / SoE 要求事項(該当する場合)
8.1.3 判定責任(推奨)
- 一次判定はプロジェクト責任者が行う
- 必要に応じて、第三者(品質・標準化担当)が確認する
8.2 Must 未達時の扱い
8.2.1 原則(原則)
- Must(必須要求事項・必須基準)が未達の場合、原則として準拠とは判定しない
- 原則として、是正または例外承認のいずれかを行う
8.2.2 是正対応(原則)
- 是正可能な場合は、以下を明示することが望ましい
- 是正内容
- 是正期限
- 是正後の確認方法
8.2.3 例外扱い(原則)
- 是正が不可能または非合理な場合は、
逸脱申請(8.4)を行い、承認を得ることを原則とする
8.3 Should 未達時の扱い
8.3.1 原則(原則)
- Should(推奨要求事項・推奨基準)は、未達であっても直ちに非準拠とはしない
- 未達の場合は、理由を記録することを原則とする
8.3.2 判断の観点(参考)
- 以下の観点で、是正要否を判断してよい
- 品質・リスクへの影響度
- 将来変更時の影響
- プロジェクト規模・期間
8.4 逸脱申請・承認手続き
8.4.1 逸脱申請の要否(原則)
- 以下の場合、逸脱申請を原則とする
- Must 要求事項・基準を満たさない場合
- 混在システムにおいて要求事項上の例外を設ける場合
8.4.2 申請内容(推奨)
逸脱申請には、以下を含める。
- 対象要求事項・基準
- 逸脱理由
- 想定される影響・リスク
- 代替策・緩和策
- 将来是正方針(必要に応じて)
8.4.3 承認権限(推奨)
- 承認は、プロジェクト外の責任者(標準管理者等)が行うことを推奨する
- 少なくとも、当該プロジェクト内だけで完結させないことが望ましい
8.5 規格改訂時の影響管理
8.5.1 基本原則(原則)
- 規格改訂は、既存プロジェクトに自動適用されない
- 適用可否は、影響評価の上で判断する
8.5.2 影響評価(原則)
規格改訂時には、以下を評価する。
- 影響を受ける要求事項・基準
- 既存成果物への影響
- 是正コスト・スケジュール影響
8.5.3 移行方針(推奨)
- 新規プロジェクト:原則として最新規格を適用
- 進行中プロジェクト:重要度に応じて段階適用または据え置き
8.6 記録と可視化(補足)
- 準拠判定結果、逸脱申請、承認結果は記録する
- 記録は、後続プロジェクトで再利用可能な形で保管することが望ましい
8.7 本章の解釈指針
本章は、
「規格を絶対視する」ためのものではなく、「判断を組織に残す」ための章である。
- 守れなかった理由が説明できること
- 判断が再現できること
これをもって、準拠・非準拠を扱う。
そのためには、
- 規格に準拠しているか判定する
- 準拠していなければ、以下の2つの対応を取る
- 準拠するように是正し、その内容を記録する
- 逸脱を承認してもらい、その理由を含めた承認記録を残す