9. SoR 規範・基準(System of Record)
9.1 SoR の位置づけ(再定義)
定義
SoR(System of Record)とは、
業務データの正(Single Source of Truth)を保持し、業務上の最終判断の根拠となるシステムを指す。
SoR は、業務の継続性・正確性・監査性に直接影響する。
9.2 SoR 共通規範(工程横断)
9.2.1 データ責務に関する規範
Must
- 業務データの正は、SoR のみに存在しなければならない
- データの定義・意味・制約は、SoR 側で一意に定義されなければならない
Must Not
- SoR 以外のシステムに、業務データの正を保持させてはならない
9.2.2 業務ルールに関する規範
Must
- 業務上の整合性制約・計算規則は、SoR に集約しなければならない
- 業務判断を伴う処理は、SoR 側で完結させなければならない
9.2.3 変更影響に関する規範
Must
- データ構造や業務ルールの変更影響を説明できなければならない
- 変更は、業務影響を考慮した上で判断されなければならない
9.3 要件定義工程における SoR 規範
9.3.1 要件の定義に関する規範
Must
- SoR に関する要件は、業務データの正を前提として定義しなければならない
- データ項目・業務ルールに関する要件を曖昧にしてはならない
Must Not
- 利用者体験や画面都合を優先して、データ定義を歪めてはならない
9.3.2 非機能要件に関する規範
Must
- 可用性・整合性・監査性に関する要件を明示しなければならない
- 障害発生時の業務影響を考慮しなければならない
9.4 基本設計工程における SoR 規範
9.4.1 外部仕様に関する規範
Must
- データの登録・更新・参照に関する振る舞いを明確に定義しなければならない
- 不正な状態を生成しない仕様になっていなければならない
9.4.2 システム方式に関する規範
Must
- データ整合性を担保する方式を設計しなければならない
- トランザクション・排他・エラーハンドリング方針を定義しなければならない
9.5 SoR 完了基準(工程横断)
Must
- 業務データの正の所在が一意に説明できる
- 業務ルール・データ制約が明文化されている
- 障害・変更時の影響範囲を説明できる
9.6 SoR 成果物 品質基準
9.6.1 正確性(Accuracy)
Must
- データ定義・業務ルールが業務実態と一致している
9.6.2 一貫性(Consistency)
Must
- データ定義・制約がシステム全体で一貫している
9.6.3 監査性(Auditability)
Must
- 業務判断やデータ変更の経緯を追跡できる
9.6.4 安定性(Stability)
Must
- 利用者体験の変更によって、SoR の根幹が影響を受けない
ページ運用メモ(規格管理用)
- 本章は SoR と判定されたシステム・要件に必須適用
- 04・05章の規範に優先して適用される
- SoR / SoE 混在時の優先順位は、08章に従う