これはなにか?
サンエムシステム 上流工程標準(以下、上流工程標準)は、サンエムシステムが受託したシステム開発プロジェクトにおいて、上流工程の成果物・プロセスの品質をそろえ、安定させるための「規格」と「実践ガイド」および「テンプレート」をまとめた社内標準です。
上流工程の実行だけでなく、見積や計画の段階で利用することで、プロジェクトを予測可能にし、失敗する確率を下げることができます。また、特殊なケースに対応したい時の手がかりにもなります。
👥 対象者・対象範囲
サンエムシステムの社員(厳密には、有効な会社メールアドレスを持つ者)であれば、すべてのコンテンツを利用できます。
ただし、上流工程標準に含まれるコンテンツはエンド直受け案件の要件定義および基本設計工程を対象に策定されていることに注意してください。
💼 ユースケース
プロジェクトマネージャー(PM)の場合
- 新規プロジェクト立ち上げ時に、上流工程全体の計画立案と必要な成果物一覧の作成に活用
- チームメンバーへの上流工程の教育・指導の際の参考資料として活用
- クライアントとの打ち合わせ前に、議論すべき要件項目のチェックリストとして活用
- プロジェクトの振り返り時に、上流工程の品質評価の基準として活用
システムエンジニア(SE)の場合
- 要件定義書や基本設計書作成時のテンプレートとして直接活用
- クライアントからの要件をもれなく整理・構造化する際の枠組みとして活用
- チーム内レビューの品質基準として活用
- 類似システムの過去事例を参考にする際の比較軸として活用
新人エンジニアの場合
- 上流工程の全体像と各ドキュメントの目的を学習する教材として活用
- 実際のプロジェクトでドキュメント作成を任された際の雛形として活用
- 先輩エンジニアのレビューを受ける前のセルフチェックツールとして活用
- 専門用語や業界慣習を学ぶ参考資料として活用
📚 コンテンツ構成
上流工程標準は次の3つの要素で構成されています:
- 規格:用語や概念の定義、成果物とプロセスに求められる要求事項と基準を定めています。
- 実践ガイド:上流工程の実践ガイドです。規格に準拠した成果物とプロセスを実践を支援します。
- テンプレート:上流工程で活用できるテンプレートを提供しています。
💡 基本コンセプト
この標準は、以下の3つのコンセプトを基本にして設計されています。
✂️ テーラリングを前提とする(Tailored in Practice)
上流工程標準は、実践される際に、テーラリング(案件に合わせたカスタマイズ)されることを前提に設計されています。標準のコンテンツは、テーラリングの指針・基準・出発点となります。
📦 成果物駆動(Deliverables Driven)
上流工程標準は、プロセス(何をするか?)よりも成果物(何を出力するか?)に対して、焦点を当てています。
ゴールとなる成果物を決めてから、そのためのプロセスを設計します。
🎯 Markdown テンプレート(Markdown Tamplate)
上流工程標準のテンプレートは、原則として Markdown で作成されています。
これは標準がエンド直受け案件を対象にしていること(中小規模のエンドユーザーは、電子ファイルの形式にこだわらないことが多い)、エンド相手の現場では利用が定着していること、生成 AI の利活用シーンでは Excel や PDF よりも利便性が高いことが理由になっています。
🏛️ 運営理念
策定の目的・背景
上流工程標準の策定以前、以下のような課題が存在していました。
- 上流工程のプロセス・成果物の品質不良による顧客との認識齟齬、後工程の効率悪化などが発生している。
- 上流工程の作業、成果物、進め方が属人的であるため、品質が不安定で、予測できない。
- 上流工程の作業、成果物、進め方を知らないため、計画そのものができない。
上記の課題を解決するために、本標準は策定され、継続的に加筆修正されます。
運営主体
サンエムシステム技術本部プロジェクト標準化推進グループが策定し、更新しています。
公的規格(JISなど)や IPA 標準との関係
この標準は、特に IPA が策定し、提唱する体系や枠組みを逐次参照しています。
サンエムシステムの現状に対して最適化する都合上、公的な規格に対する完全な適合は達成されていません。また、それを目的にしていません。
主に参照している規格、体系、標準は以下の通りです。
| 規格名 | 提唱・運用主体 | 概要/上流工程との関連 |
|---|---|---|
| 共通フレーム 2013 | IPA | ソフトウェア・システム開発における共通プロセス体系を規定。超上流〜要件定義などを含む。(IPA) |
| JIS X 0166:2021 | JSA(日本規格協会) | システム及びソフトウェア製品(サービスを含む。)の要件(要求事項)を得るためのエンジニアリング活動としてライフサイクル全体にわたって実施することが必要なプロセスについて規定。(JSA) |
| ISO/IEC/IEEE 29148 | IEEE(米国電気電子学会) | ステークホルダー要求、システム要求、要件文書化やその管理手法などを扱う標準 (IEEE) |
| ユーザのための要件定義ガイド 第2版 要件定義を成功に導く128の勘どころ | IPA | ユーザー企業向けに、要件定義の各局面で起こる典型的な問題と、その“勘どころ”による解決策を体系的に示すガイド(IPA) |
| DS-120 デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン実践ガイドブック | デジタル庁 | 標準ガイドライン、標準ガイドライン付属文書及び標準ガイドライン解説書の下位文書として、これまで得られたノウハウや教訓等を盛り込んだ実践的な参考文書(DA) |
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